全摘(再建なし)手術後の下着について。
(※ 図はあくまでも一例です。)
「術後・治療中は…」
術後しばらくは腕が自由にならないこともあるので、
脱着しやすい「前開き」のもの等が便利です。
また、「全摘(再建なし)」の場合、パッド選びがとても重要になってきます。
術後すぐは傷の保護が大事ですので極力刺激のあるものを避け、痛みや感覚障害がある場合は不快感のない軽量なものを選ぶ等、傷の具合や体調によってご自分に合うものをお選びください。ガーゼや柔らかいハンカチ等で工夫をされる方も多いようです。
下着選びのポイントも、その後受けられる治療や患者さんの状態によって変わってきます。
*「腋窩リンパ節郭清」…
腋窩リンパ節郭清を行った場合は、腋の傷に当たらないように工夫されたもの。
(リンパ浮腫が起きる場合もあるので、腋部分が広めのもの。)
*「放射線治療中」…
マーカーの色移りが気にならない濃色のもの。
もしくは色移りしても惜しくない使い捨てにできるようなもの。
放射線治療後、肌が敏感になることも多いので優しい素材のもの。
綿100%をすすめられることが多いようです。
照射部位が擦れて痛くなる事もあるので、当て布等での工夫が必要になることもあります。
*「抗がん剤治療中」…
副作用で浮腫等が起きる場合もあるので、治療中の不安定な体調に対応できるなるべく楽なもの。
*「ホルモン治療中」…
ホットフラッシュ等が起きる場合は吸湿速乾性に優れたもの。
ホルモンバランスが崩れ、肌が乾燥したり敏感になることも多いので優しい素材のもの。
副作用で乳腺が脂肪化し、お胸のサイズが変化する場合もあるので、パッドなどで調整できるもの。
↓ こちらもご参照ください。
浮腫がある場合は血流を妨げないよう、くれぐれも締め付けのあるものは避けましょう。
人によっては浮腫のために下着を買い替える必要も出てくるようです。
「術後落ちついたら…」
傷の痛みや感覚障害、浮腫等が気にならなくなったら、ある程度重みのあるパッドも必要になってきます。
(左右のバランスが整っていないと肩こりや腰痛等の原因にもなります。)
痛み等がなければ乳がん経験者用のノンワイヤーブラ等の着用も可能になってきます。(「乳がん経験者用」でないとパッドの入るポケットの大きさが足りない場合が多く、アンダー部分がずり上がってくる等の問題もあるようです。)
パッドにはシリコンやウレタン、布製など色々な素材のものがあり、一見、形やサイズも豊富にありそうですが、それぞれに長所と短所があり、自分に合うものを見つけるのはなかなか難しく、自分でパッドを手作りされる方も多いようです。
専用パッドに合わせて作られているノンワイヤーブラやワイヤーブラ等もありますので、専用パッドと一緒の装着感を試す事で、より快適な自分に合うブラを見つけられることもあります。
自分のサイズを再度確認したり、どんなものが自分に合っているのかを知るためにも、最初は「乳がん経験者用下着」を扱っているお店でフィッティングをしてもらうのがおすすめです。
試着時には身体を左右にひねったり、腕を上げたり下げたりしてみましょう。パッドの位置が安定していて、苦しくもなく緩くもなく、後ろのホックの部分あたりがずれなければOKです。
各々の状態に合わせて
快適に過ごせるパッドと下着をお選びいただけれればと思います。
↓ こちらもご参照ください。
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